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さようなら、清志郎  [私Mの日常]

 「シングルマン」 by RCサクセション 
  LPレコード・アルバム"シングルマン" 
 「シングルマン」by RCサクセション
         

RCサクセションの忌野 清志郎が、亡くなった

清志郎は、私にとって長年の"アイドル"だった。

 ◇

RCサクセションを初めて見たのは、 中学生3年生の時だった。

目黒の「杉野講堂」というところで、フォークコンサートがあって、

どういういきさつか、私は一人で見に行った。

コンサートは、あまり面白くなかったけれど、

RCサクセションというバンドをひと目で気に入ってしまった。 

バンドの生意気な感じも、私の心にぐっときたし、

「僕の好きな先生」も良かった。

なにより、清志郎が、すごくキュートで、

ティーンエイジャーの私のハートは、すっかり清志郎の虜。

デビューアルバム「初期のRCサクセション」を買った。

「初期のRCサクセション」

LPレコード・アルバム - "初期のRCサクセション" 

清志郎を追いかけて、

小さなライブハウス渋谷の「じぁんじぁん」に足しげく、通った。

 「じぁんじぁん」では、当時、"RCサクセションの夕べ"の前座が、

アンドレ・カンドレ(=井上 陽水)だったり、

RCが、古井戸(仲井戸麗市が後にRC入り)の前座だったりした。

このころには、私はちょっとした、グルーピーで、

演奏が終わっても、清志郎に会いたい一心で、

いつまでも、客席でウロウロしてた。

(そんなこと、ある訳ないのに…。ティーンとしては、それが精いっぱい。)

RCのマネージャーが、いつの間にか、話しかけてくれるようになった。

「だめだよ、あんまり遅くまでいちゃあ。」とか…

「今度、○○○で公開ライブするよ。」とか。

このマネージャーは、何を思ったか、私に、

清志郎の国立の自宅の電話番号を教えてくれた。

(この方は、もしかすると、後に急死されたマネージャーの

ヒッピーと呼ばれる人だったのかもしれない。)

私は、清志郎に電話をした。

お母さんがでてきて「あ~ら~ごめんなさいね、でかけてるのよ。」とか。

「あ、まり子さん?」 などと、

(きっと、彼女でしょう。「まりこ」という美しい歌もある)

人違いをしたり。

なんだか、気さくそうなひとだった。

電話は、清志郎につながる。

「君は、どこに住んでるの?」

「ブルジョワだな」

無口な清志郎が、もっと無口な私に、話しかけてくれる。

話すことが無い時は、清志郎は、電話口で、ギターのフレーズを弾いたり、

キーボードを弾きながら、ポツリポツリとしゃべる。

それは、美しい音を聞きながら、私は受話器を握り締めた。

「カトリック・ミッションスクールの女子高校生!?、ふんっ、ブルジョワの娘だな!」

「卒業したらどうするの?」  「大学行くの…」

「A学?優等生だな」  

私は、美しいギターやキーボードの音と、清志郎のかすれた静かな声を聞いていた。

「今度、会おうか」彼がそう言った。

清志郎と井の頭公園でデートした。

すごく普通のデートだった。

手をつないで、池の周りを歩いた。

清志郎が、ぽつりぽつりと、しゃべる。

「君は、静かなひとだねー。」

(無口な清志郎に、『無口な人』と言われるほど、

あまりに子供だった私。高校3年生の卒業間近だった。)

日が暮れてきて、月がでて、星が出て…

「もう、帰らなくちゃ…。」と、高校生の私。

清志郎は、私を、自宅近くの駅まで送ってくれた。

振り返って、手を振ると、手を振り替えしてくれた。

すごく普通な23歳の清志郎。

記憶は、私の中に生きている。

清志郎の話す声や、匂い…。

私は、忘れない。 

「朝までいっしょに、踊りたい」と書いた私。

渡米中の私の実家に、電話があった。

「まことさん、いらっしゃいますか。」

「どちら様ですか?」

「栗原といいます。」

「娘は、今アメリカにおりますが…」

「そうですか…」

長い時間をかけて、清志郎にさようならを言っている。

「さようなら、清志郎、今でも大好きだよ」

 

--- おわり ---

 

 


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コメント 6

chunta

おかげさまで 退院致しました<(_ _)>
ご挨拶が一度に出来なくて 遅くなりました><

こんなに早いとは 思わなかったよね
お元気だっただけに 凹むよね~~
ご冥福をお祈りしつつ・・・・頑張らないとね

by chunta (2009-05-04 23:09) 

makoto

chuntaさん

ご退院、おめでとうございます!
マリーさん、息子さんたちも、ほっとされたことでしょう。
急がずゆっくり、復帰してくださいね。


by makoto (2009-05-05 09:57) 

ゆめ乃

おはようございます。
清志郎さん、本当に残念でしたね。
もっと彼の歌を聴いていたいと願ったのですけどね。。
あの日、あたしもひさしぶりにたくさんRCの曲を聴きました。


by ゆめ乃 (2009-05-18 05:28) 

makoto

ゆめ乃さんへ

niceとコメントありがとうございます。
お返事が遅くなってすみません。

清志郎が大好きで、もうライブを見られないと思うと、
胸が苦しくなってきます。

昔、買った、チャボのカメラマンの奥さん(大久保ヒサコさん)の撮った
清志郎の写真集を捜して、あちこち引っ掻き回していますが、
いまだに行方不明です… ToT
by makoto (2009-05-25 12:08) 

ゆめ乃

こんばんは。
きょう、『僕らの音楽』というTVを見ていました。
清志郎さんの特集でした。
そしたら、ふとmakotoさんに会いたくなってやって・・・
こっそりやってきました^^
写真集は、見つかりましたか?

by ゆめ乃 (2009-06-20 00:21) 

makoto

ゆめ乃さん、こんばんは。
私は、清志郎が好きでした。
誤解を恐れずに、告白すると、
グルーピーで、しかも、世間知らずの私は、
清志郎とデートすらしました。
遠い昔のことと、忘れかけた思い出でしたが、
亡くなられたことをきっかけに、
いけないことと、しりつつ、
UTubeで、若い頃の彼を何度も、何度も、見てしまいました。
それから、「彼に会いたい」、
しかも、「若い頃の彼に会いたい」という、
病的な気持ちに取り付かれていました。

また、君に恋してる、いままでよりも深く…

仕事をする私の頭の中で、
「多摩蘭坂」や「あふれる熱い涙」や「誇り高く生きよう」が、
来る日も来る日も、一日中、鳴り響いていました。
そんな風に、随分と長く、清志郎とのお別れをしてきました。

by makoto (2009-08-01 13:11) 

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